共済コラム
正しく伝える
2018年5月1日
正しく伝える
「薫風や 年金講座 気になりて」。今年も多くの先輩が一線を退かれた。永年にわたるご尽力に感謝と敬意を表したい。セカンドステージも有意義にお過ごしいただきたいと願うばかりだが、これから大切なのはI・K・K(生きがい・健康・お金)。
現役の皆さん、60歳は老後準備の終了時期、ゆとりある老後のために今から「年金共済」でご準備を。
「薫風」は5月の季語。今年の新入社員は、五月病にならず頑張っているだろうか。職場で支えてほしいと思う。誰にも夢と希望に胸膨らませた初々しい新人時代があった(はず)。42年前の筆者にもあった(はず)。共済にもあった。1974年、JP共済生協の前身である全逓共済は、職域生協として新たなスタートをきった。その当時の関東の加入率は、総合共済99.9%、火災と交通災害も90%を超えていた。
しかし、現在では、それぞれ82%、21%、38%となってしまった。まさに隔世の感を禁じ得ない。特に、2011年の共済統合以降、加入率は急激な右肩下がりとなっている。その主たる要因は若年層の未加入者が急増していること。若者にとって共済は必要ないのだろうか。
ここに興味深いデータがある。JP共済生協が昨年実施した組合員意識調査である。一部を紹介すると、共済のイメージは「安心できる(87.8%)」「信頼できる(86.9%)」「組合員のことを考えている(83.3%)」がベスト3。交通災害、火災・自然、マイカー共済に加入している理由は、「掛金が安いから」、「組合から勧められたから」が上位。共済を知ったキッカケは役員の働きかけが際だって多い。総合共済に加入していない理由は、「あることを知らなかった」と「加入を勧められていない」で36%。等々、共済は組合役員の献身的努力によって肯定的に受け止められている一方、その存在が伝わっていない実態も浮き彫りとなった。
災害に対しては、火災と地震が約86%、台風や集中豪雨に75%が不安を感じ、老後の生活でも公的年金だけでは不安との回答は88%を超える。そうした不安を少しでも払拭するために共済は存在する。しかし、その存在すらも知らない組合員が多数いるのが現実。共済推進のカギは「正しく伝える」、これに尽きるのではないだろうか。幸いにして、「役員の共済加入への勧奨がわずらわしいか」との問いに、大多数が「そう思わない」と回答しており、組合員は、役員からの加入勧奨を好意的に受け止めているようだ。
だから声を大にして言いたい「自信を持って伝えよう」と。人生100年時代、まちがっても「老後にと 米寿の父が 貯金する」なんてことにならないために。
(Komu-Taka)