共済コラム
ラプラスの悪魔
2018年7月1日
6月18日7時58分、大阪府北部を中心に震度6弱を観測する地震が発生した。甚大な被害を受けた被災地の皆様に、哀悼の意を表するとともにお見舞い申し上げる。
郵政関係でも局舎の損壊などで一部業務運行に支障をきたす事態がおきた。一刻も早い復旧・復興が望まれる。
それにしても大きな地震が続いている。4月には島根県で震度5強、北海道で震度5弱、5月には長野県で震度5弱、そして6月の群馬県での震度5弱、大阪北部地震はその翌日だった。
「天災は忘れたころにやってくる」と言ったのは、明治から昭和の物理学者であり随筆家の寺田寅彦だが、いまや、日本列島は「天災は忘れる間もなくやってくる」という状況だ。
話は変わるが、東野圭吾原作の映画「ラプラスの魔女」を鑑賞した。主演は人気グループ嵐の桜井翔(ちなみに実父は元総務省事務次官にして、知る人ぞ知る1990年当時の関東郵政局人事部長)。
あらすじは、連続して起きた2つの不審死の事件現場が遠く離れているのに、死因はどちらも屋外での硫化水素中毒死。 もし一連の事故を事件とするならば、犯人はその場所でおこる風の向きなどの自然現象を正確に予測したことになる。
そんなことは絶対に不可能だ。「ラプラスの悪魔」でもない限り…。
題名の由来となった「ラプラスの悪魔」とは、フランス人の数学者ピエール・シモン・ラプラスが、ある状態での物理的なステータスが分かったと仮定して、それを解析する能力があったとしたら、その後に何が起こるかをすべて予測できるという理論。
そんな存在は「悪魔」に等しいということで例えられたという(筆者には何のことやらさっぱり理解できないが?)
映画のように難解な数式を解いて未来を予測できるなら、災害、事故、病気などを避けることができるかもしれないが、それは映画の中での話。現実の生活では、予測不能な「まさか」が度々おきる。
その時のために、事前に備えておくことによって、組合員と家族の災害や事故後の生活を支えることができる。それこそが、「相互扶助の精神」を基本とする共済の理念であり使命である。
JP共済生協には、火災・自然災害、交通災害、マイカー、生命、医療共済など、安心ライフのラインナップがそろっている。「まさか」のリスクに備えてほしい。
映画では未来をほぼ完璧に予測しながら話は進むが、この世界の未来をたずねると「それは知らないほうがきっと幸せだ」と答えたラストシーンが印象的だった。うそと無責任が横行し品性も節度も失った政府では、この国の行く末も知らないほうが幸せなのか。国民の言動が問われている。
(Komu-Taka)