共済コラム

「世話役活動」再生元年

2018年1月1日

 謹賀新年。今年もJP共済生協関東と本コラムをよろしくお願いする。新年を迎えたが、どうもすっきりしない。原因は、昨年の衆議院選挙結果と森友・加計学園問題。某前議員ではないが「ちがうだろ〜」と言いたくなる。通常国会での野党の疑惑解明に期待したい。

 その他にも昨年は数々の出来事が世間を賑わしたが、秋篠宮家の長女眞子さまの婚約内定は明るいニュースであった。お相手が小生と同姓だからか(といっても何の関係もないが)、清々しくなる。海の向こう英国王室でも王子と米国人女優との結婚が発表された。お二人は人種差別とも取れる誹謗中傷などの逆風を乗り越え、愛を育んできたという。二つのロイヤルカップルの誕生に何か時代の変化を感じる。お幸せになってほしい。

 さて、皇族のご結婚とは無関係な話だが、小生が某総分会の書記長をしていた当時、組合員からよく相談を受けた。労使関係や職場課題の次に結婚が多かった。中でも「できちゃった婚」(昨今は「授かり婚」と言うそうである)は、ご両家の了解がいただければ、総分会主催による披露宴の準備が始まる。会場は勤労福祉会館(本当に安かった)、仲人は支部長か推薦議員、司会は書記長、主賓挨拶は分会長、当人は、たいてい資金がないので少しだけ労金で借りてもらうが、経費を節約し出席者の会費だけで返済できる。

 かつて、(あまり意識したことはないが)こうした「世話役活動」は当たり前だった。役員は組合員の困り事や悩み事の相談にのり、プライバシー保護を前提に親身に話を聞き、時には、弁護士などの専門家の手を借りながら、解決のために一緒に知恵を絞る。相談内容は、職場課題だけではなく、冠婚葬祭、借金問題、病気や介護など、組合員の生活全般にわたる「何でも相談」で、その際、共済と労金は大いに役立つ。労組の存在感が希薄になったといわれる中で、それは労組の顔が見える大切な活動のひとつ。そして組合員の相談に真摯に対応することが、労組への信頼感を育み、頼られる存在となる。さらに組合員の期待に応えようとして人材育成にもつながる。

 今の職場は世話役活動がおろそかになっていないだろうか。関東では共済事由発生から3年経過後の請求(時効案件)が増えている。連協共済委員会からの時効申立書の理由欄には、判で押したように「世話役活動不足」と記されているが、職場にも「自己責任型社会」の波が押し寄せているのだろうか。今年こそ「価値ある大きなお節介」をして、「世話役活動」再生元年にしたい。

(Komu‐Taka)





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