共済コラム
大一大万大吉(だいいち だいまん だいきち)
2017年9月1日
民進党の新代表が決まった九月一日、地方部長の辞令を受けた。還暦のルーキーだが微力を尽くす決意を新たにしている。地方部といっても部長一人、職員一人の零細企業だが小回りをきかせ支部のサポートに徹したい。
本コラムの新タイトルは、「新都心の雑記帳」。地方部のある「さいたま新都心」から雑記帳的に想いのままを綴ってみたい。
先日、映画「関ヶ原」を鑑賞した。原作は、石田三成にスポットをあて、豊臣秀吉の死から徳川家康との天下分け目の「関ヶ原の戦い」に至るまでを描いた司馬遼太郎の歴史小説。巷では大ヒット中とのことで期待したが「早口でよくわからない」とは一緒に観た妻の弁。そういえば観終わった後の余韻がないと私。原作は三部作、二時間半では少々難しかったのか。
さて、映画談議はさておき、三成が戦場で使う紋を思考する場面がある。有名な「大一大万大吉」を組合せた紋がお披露目され、「この六文字が意味するのは、一人が万人のために、万人が一人のために尽くせば天下の人々は幸せになれる」とのセリフに思わずうなずく。
裏切りが当然の戦国時代に己の正義を貫き、人々への思いやりを持った人物像がこの紋から伝わる。平和な世への願いをこの紋に託したのだろう。
また、「利によってのみ動く人間ばかりになってしまった」と嘆くシーンは、利益第一主義に奔走する現代の日本社会とオーバーラップする。この合戦で三成は敗れたが、その志が敗れたわけではない。共済の助け合い制度という姿で今に残るというのは大げさだろうか。
この共済通信には、「一人は万人のために、万人は一人のために」との言葉を添えている。改めて共済と労働運動の原点を肝に銘じたい。
ラグビー界でも、これを「ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン」とよび大切にしているが、「オナー・イズ・イコール」という言葉もある。「役割は違ってもチームプレイでつくりあげた成果はみんなで共有するもの」との意味。チーム力は一人ひとりの役割を尊重することで高まる。
本稿が読まれる頃は、共済支部担当者会議も終了し前期の取り組み強化期間が始まる。「ノーアタック・ノーチャンス」行動あるのみ。関東のチーム力を発揮して果敢にチャレンジしたい。「では、おのおの方ぬかりなく」。
ちなみに映画「君の膵臓をたべたい」は良かった。お奨めである。
(KOMU‐TAKA)