共済コラム
「2位じゃだめなんでしょうか」
2019年9月1日
大阪府代表の履正社高校の優勝で幕を閉じた、第101回全国高校野球選手権だが、
関東勢では栃木県代表の作新学院が唯一ベスト8まで勝ち上がった。主将で4番打者を務めた選手が筆者の地元中学出身で自然と応援にも熱が入った。健闘を称えたい。他方、熱い論争を巻き起こしているのが、岩手県予選決勝での大船渡高エースの登板回避である。
監督の言う「3年間で一番壊れる可能性が高かった」に対し、「これくらい耐えられなくてプロでは活躍できない」と某プロ野球解説者。英断だ、いや夢をつぶしたと俄か評論家の議論も絶えない。いずれにしても、当事者が、「あの時があったから今がある」と思える将来であってほしい。
しかし、準優勝(2位)では、甲子園に出場できないのも現実。筆者が2位で思い出すのは、かつて民主党政権の看板政策であった「事業仕訳」の必殺仕訳人の一人、
蓮舫参議院議員の「2位じゃだめなんでしょうか」(個人的には平成の名言ナンバー1だと思う)。2009年11月、次世代スーパーコンピューター(スパコン)が事業仕訳の遡上に上がった。「2位じゃだめなんでしょうか」、予想だにしなかったこの質問に不意を突かれたのだろう官僚は、何も答えられなかったと記憶している。この言葉は科学者や経済界から強い批判にさらされた。本人にとっても咄嗟にでた言葉かもしれないが、「別に一番でなくてもいい、身の丈に合った社会にしていこう」、そんな根本的な発想の転換を促すメッセージであったように思う。
結果的に、もうひとつの日本が進むべき道を立ち止まって考えるチャンスを逃がすことになった。今だけ、お金だけ、自分だけの現代社会の風潮や企業体質をみるにつけ返す返すも残念でならない。せめて、郵政の職場では、人と人がつながる共済の加入促進に努め、助け合い、支え合う文化を保ちたい。
安倍総理の言う悪夢の民主党政権には、自民党政権ではとうてい不可能な沖縄返還協定に関する外務省機密文書を公開するなどの積極的な情報公開をはじめ、チルドレンファースト、コンクリートから人へ、高速道路無料化など、評価できる成果や政策が沢山あった。ちなみに、2009年秋に購入した筆者の愛車は無料化を信じ(?)今もETCが付いてない。しかし、民主党は、雲散霧消してしまった。一刻も早い民主リベラル勢力の再結集が待たれる。
ところで、2位ではダメだったスパコン「京」は、この8月16日で7年の運用を終え、今後は後継機「富岳」に託される。「京」の開発には1,111億円の国費を投じ、「富岳」には1,100億円が投じられるそうである。その投資効果の算出は容易ではないだろうが、大国間では人工知能(AI)の軍事利用を目的とする開発レースが激化しているようだ。くれぐれも「富岳」には、平和利用を追求してほしいものである。
(Komu-Taka)