共済コラム

「ありがとう」と言われる仕事

2020年8月17日

 

 

修理2

 過日、筆者が単身赴任のため住んでいるアパートのトイレが夜中にトラブルに見舞われた。少しためらいがあったが、ネットで調べて24時間対応の業者に来てもらい事なきを得た。作業が終わる頃は深夜となり、業者の方に「遅い時間までありがとうございます」と声をかけると「仕事ですから」とさわやかな笑顔が返ってきた。その笑顔にこちらも清々しい気分になった。

 

 働くうえで、自分の好きなこと、得意なことを活かした仕事に就き、生活していけるなら、これほど幸せなことはない。しかし、生きていくために仕方なく我慢して働く仲間も多い。その典型が、正社員を望んでいるのに非正規で働く「不本意非正規労働者」だろう。主人公の派遣社員が大活躍するテレビドラマがあるが、あくまでフィクションであり、総務省の調べでは、この「不本意非正規労働者」が236万人もいるという。郵政グループ内にもこうした想いのパートナー組合員が多くいる。「不本意」な働き方の解消は急務だ。

 

郵便

 もうひとつ大切な要素は、「職業に貴賤なし」だが、誰かの役に立つこと、社会に必要とされることだろう。いわば「ありがとう」の一言で苦労が報われ、頑張ることができるということだ。筆者の体験でも、雨、風、雪の日など、悪天候の中での集配作業は過酷なものだが、お客様からの「ご苦労様、ありがとう」の言葉は励みになった。組合員の皆さんの日々の業務は、「『ありがとう』と言われる仕事」なのは間違いない。

 

研修②

 そこで思い出すのは、筆者が地本書記長当時、関東郵政局幹部(現在の支社)との労使セミナーを企画した際、その当時、新たにビジネスパートナーとなった「㈱ローソン」に講師を依頼したいと思い、あるルートで話を伝えると一度お逢いしたいので東京・大崎にある本社まで来てほしいとのことで、N地本委員長と一緒に本社へ出向き、郵政担当の役員に直接、講師依頼をした。最初は、緊張からかぎこちなかったが、ある一言でその場の雰囲気が変わり、講師を快諾していただくとともに、当初、15分の会談予定が約1時間にも及んだ。それはN委員長が発した「私たちの仕事は、お客様から『ありがとう』と言われる仕事なんです。組合員は、それにやりがい、働きがいを感じ、誇りさえ持っています」との言葉だった。ちなみに、講演自体が好評だったことは言うまでもない(その時「ラストワンマイル」という言葉を初めて聴いた)。

 

 その後、講師の方とは個人的に時々意見交換をするなどのお付き合いが続いたが、民営化後、日本郵便本社の役員に就任され再会した時はビックリした。筆者が地本委員長の時は、関東地本の事務所へ何度もおいでいただき、「『ありがとう』と言われる仕事」の成長を議論したものである。

 

研修①

 例年8月は、関東の支部共済担当者が一堂に会し、その年の活動方針を確認する会議を開催しているが、今年度は新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、連協別の開催を予定している。それにしても支部担当者の皆さんの、いわば「縁の下の力持ち」としての献身的な支えには頭が下がる。職場環境や組合員の意識が変化する中で大変なことも多いと思う。が、これだけは言える。それは「共済担当者の醍醐味は、組合員に感謝されること」。つまり、「『ありがとう』と言われる活動」であり、苦労しても組合員からの「ありがとう」の一言でまた頑張れる。まさに「ありがとう」は魔法の言葉だ。だからこそ、組合員の皆さんにお願いがある。共済金を受け取ったら、JP労組の役員や共済担当者に「ありがとう」と言ってほしい。それが、これからも助け合い、支え合う精神が職場に宿ることになるのだから。

 

ありがとう

 昨今、郵政グループの仕事は、お客様から「ありがとう」言われているのか、筆者には知るすべもないが、ぜひ、「『ありがとう』と言われる仕事」に従事している誇りを忘れないでほしいと、かんぽ生命問題に関する懲戒処分や営業再開の報道にふれ願うばかりである。

 

 

 

(Komu-Taka)





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日本郵政グループ労働組合中央本部