共済コラム

澤入さんの心配事

2020年9月23日
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 既報のとおり、JP共済生協主催の「2019年度優秀支部表彰」において、渋川支部(群馬)と関東郵便輸送支部(埼玉)がマイカー共済単独の部で、見事に栄誉を手にし、先の支部共済担当者会議において表彰状や副賞などが授与された。マイカー共済の部の表彰は、全国の中で信越地本1支部、中国地本1支部、関東地本2支部の合計4支部であり、この受賞は、関東共済の歴史に金字塔を打ち立てたと言っても過言ではない。両支部の功績を称え関係者に敬意を表したい。

 

 

 

 

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 特に、初受賞となった渋川支部は(関東郵便輸送支部は2度目の受賞)、年間新規加入件数が全国でトップになったことが評価されての受賞だが、この成果は、澤入光明さん抜きには語れないだろう。澤入さんは、関東地本における共済推進のスペシャリスト集団である「地方共済普及部会」の部会長を務めている。年齢は、筆者と同じ1957年生まれの63歳、現在は再雇用社員として群馬局の窓口で働いている。

 

 特技は、本人曰く、「最近はコロナ禍で使用制限のところが多いので腕が鈍った」そうだが、商業施設やホテルなどに設置されているハンドドライヤーで頭髪を乾かすこと。読者の皆さんは、そんなことができるのかとお思いだろう。そこでヒントをひとつ、澤入さんのあだ名は、そっくりなその風貌から「ひふみん(棋士の加藤一二三氏)」。少しはイメージできたであろうか、後は、皆さんの想像力にお任せする。

 

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 澤入さんは、共済推進に強い信念をもっている。「共済推進は、できるかできないか、ではなく、やるかやらないか」であり、「大切なのは、やりきる意思だ」と熱く語る。そして、澤入さんの目下の心配事は、加齢による体力の衰えと血圧、血糖値などの検診データや退職後の年金生活、そして何より、共済担当者の育成が悩みの種。なかなか若い組合員が共済活動に参加してくれないばかりか、共済未加入者が増えていると嘆く。毎年、加入率の高い世代が退職し、加入率の極端に低い20~30歳代が職場の中心世代にスライドする。このままでは共済制度が継承できないのではと、不安に駆られるという。

 

 野球評論家の故野村克也氏は、著書などで数々の名言を残しているが、筆者が共感を覚えた一つに「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すは上とする・・・」がある。これは野村氏のオリジナルではなく、出典には諸説あるが、関東大震災から東京を復興させた「後藤新平」だというのが有力のようだ。組織は人であり、人財育成は、いつの世も先輩世代の最大のミッションなのだろう。また、「見えないコーチが名コーチ」というのもある。まるで裏方に徹する澤入さんたち、共済担当者のためにある言葉のようだ。本当に感謝している。

 

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 別に不治の病に侵されているわけではないが、澤入さんも筆者も残された時間と髪の毛は少ない。職場で助け合い、支え合うという灯りを消さないよう、JP労組を含めて、これからを担う後継者育成は急務である。

 

 

 

(Komu-Taka)





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日本郵政グループ労働組合中央本部