共済コラム

仕事とは

2019年4月1日
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 今年も、新入社員を迎える。職場にフレッシュな風を吹かせてほしい。この時期、筆者のささやかな楽しみは、全国紙に某洋酒メーカーの広告として掲載される作家、伊集院静氏の新社会人に向けたメッセージ(以前は、開高健さんや山口瞳さんなどが執筆していたと記憶している)。その中から二つ引いてみる

 

 

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 ひとつめは「その仕事は、ともに生きるためにあるか」。「今、世界は経験したことのない不況にある。自分だけが富を得ようとする仕事が愚かなことだと知っていたはずなのに、暴走した。なぜ、止められなかったのか。それは仕事の真の価値を見失っていたからだ。人を騙す。弱い立場の人を見捨てる。自分だけ良ければいい。それらは人間の生き方ではないと同時に仕事をなす上でもあってはならないことだ。仕事は人が生きる証だ、と私は考える。だから、出発の今、真の仕事、生き方とは何かを問おう。その仕事はともに生きるためにあるか。今何より大切なのはともに生きるスプリットではなかろうか。一人でできることには限界がある。誰かとともになら困難なものに立ち向かい克服できるはずだ。会社とは、職場とはともに働き、生きる家である。仕事は長く厳しいが、いつか誇りと品格を得る時が必ずくる・・・」これは2009年の作品、そう、リーマンショックの影響で世界経済がどん底の時のものだ。

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 もう一つは「落ちるリンゴを待つな」。「大変なことがあった東北の地にも、今、リンゴの白い花がこうとしている。皆、新しい出発に歩もうとしている。リンゴ園の老人が言うには、一番リンゴらしい時に木からとってやるのが、大切なことだ。落ちてからはリンゴではなくなるそうだ。それは仕事にも置き換えられる。落ちるリンゴを待っていてはダメだ。木に登ってリンゴを取りに行こう。そうして一番美味しいリンゴを皆に食べてもらおうじゃないか。一、二度、木から落ちてもなんてことはない。リンゴの花のあの白の美しさも果汁のあふれる美味しさも厳しい冬があったからできたのだ。風に向かえ、苦節に耐えろ。常に何かに挑む姿勢が、今、この国で大切なことだ・・・」これは2012年、東日本大震災から約1年後のもの(作者も仙台在住で被災者)。これらのメッセージは、新社会人だけでなく還暦過ぎの筆者でも心震える。共済も、ともに生きるためのものだと見つめ直す機会になる。
 ちなみに2006年は、「仕事は何かを生み、作り上げ、それが人々をゆたかにするものだ。権力や金を得るために仕事があるのではない。まず、ひとがあるのだ・・・」とある。こんな考えの経営者だったら春闘も・・・。

 

 それでは先輩諸君、新入社員をよろしく頼む。そして、JP労組加入の際は、共済の同時加入もお忘れなく。新社会人おめでとう。乾杯。                    
                                 (Komu-Taka)





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