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「バックキャスト」の発想で実践のとき

2011年12月6日

 拝啓 木枯らしの季節となりましたが、組合員の皆さんお変わりございませんか。
 早いもので今年も残すところ1ヶ月、年々時間の流れを早く感じるのは、私もそれだけ年齢を重ねている証左なのでしょうね。
 この便りも大変ご無沙汰し申し訳ありませんでした。
 改めて、本年1年間のJP労組運動の発展に向けた日々の活動に感謝します。本当にありがとうございました。

 さて、職場では、年賀販売やお歳暮ゆうパック対応、年末始繁忙の準備、そして日々のお客様サービスと営業活動等に多忙の中、先月には、郵政グループの中間決算が発表となりました。詳細の内容や分析は、組合情報で周知していますので、そちらに譲ることとしますが、グループ連結の経常利益は前年同期比465億円の増益。しかし、一時金1.3月削減分の約590億円を差し引くと昨年度と同様に減収減益。つまり、今回の増益決算は、組合員の痛みによってもたらされたものと言えます。
 また、郵便事業会社では、上期の計画値(もともと赤字を見込んだ計画)を上回り、一定程度改善が図られた結果となりました。この結果は、大幅な赤字が継続しているものの、組合員の皆さんの日々の努力と汗の結果であることは言を俟ちません。一方、通期見通し(約410億円の赤字予想)に関しては変更しないとしております。なぜ組合員の努力が通期に反映しないのか、不安定な要素とした年賀販売や人件費等の動向についてその数値的根拠は−そうした問いに経営陣は真摯に答えるべきと考えています。なぜなら、そうしたことの精査のうえに社員の納得があって初めて、郵便再生ビジョンの実践を通して健全経営への道が拓けるからです。
 現在、地方本部は、この中間決算をひとつの指標に、11春闘の反省を踏まえた春闘方針決定に向けた新しいプロセスのスタートとして、職場オルグを展開しています。それを支部、連協における春闘討論集会につなげ、さらには、12月9日に都内で開催される「全国春闘討論集会」において、支部代表から組合員の皆さんの想いを発信することとしています。また、方針の最終決定は、明年2月の中央委員会となりますので、事業業績を受け止めつつも連合方針や組合員の生活実態も視野に、中央本部から示されている「グループ一体性と処遇のあり方」を含め、今後も職場討議をお願いする次第です。

 

 また、私たちの悲願とも言うべき郵政改革関連法案は、今日段階では、国会の会期延長、内閣支持率の低下等、政治動向が不透明な中で法案成立に向けて予断を許さない状況となっています。この法案の成立は、郵政事業の将来展望を切り拓くうえで必要不可欠なものです。地方本部としても決して諦めることなく、成立に向け全力を傾注する所存です。

 

 私は、最近の機関会議において環境問題でよく使われる、「フォアキャスト」と「バックキャスト」という話をしています。
 もともと釣りの世界における擬似バリの投げ方から、発想の立ち位置の違いを表現しており、「フォアキャスト」は、現状分析から出発して、将来どのようになっていくかを考える手法。逆に、「バックキャスト」は、将来どうなっているかを先に考え、そこから今に逆流して、当面、何をすべきかを発見する方法です。環境問題、特に地球温暖化問題は、このまま大気中にCO2などの温室効果ガスを排出すると、近い将来、地球の平均気温は5度上昇し、異常気象により海面上昇、砂漠化、干ばつ等が進み、それによって、多くの人が生活基盤を失う可能性が問題となっていることはご承知のとおりです。そして、排出ガスの大幅減少が一定の防止効果として明らかとなっており、現在、「バックキャスト」の発想で、削減目標とともに実践行動そのものが重要視されています。

 私は、JP労組が直面している郵政改革も、郵便再生も、春闘の再構築も、そして「心ひとつに運動」も、30万人組織建設も、環境問題と同様に手遅れとならないよう、まさに「バックキャスト」の発想でゴールイメージを明確にした羅針盤を示すとともに、私たち自身の主体的な実践行動そのものが問われていると思っています。

 

 今、まさに分水嶺の時。「あの時もう少し頑張っていれば良かった」、そんな悔いを残さない様、誤りなき判断のもと地方本部のリーダーシップを発揮することを決意も新に組合員の皆さんにお約束して、今月の便りの筆を擱くこととします。

 

 これからが冬本番。組合員の皆さんもくれぐれもご自愛のうえ、繁忙期と厳しい寒さを乗り切ってください。

 

敬具

2011年 初冬

日本郵政グループ労働組合関東地方本部
執行委員長  小室 隆行



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