就任挨拶/西藤 勝 執行委員長
2017年9月5日
仲間の皆さん、日々、仲間を守る組合活動や郵政事業の使命であるユニバーサルサービスの確保など、日夜ご奮闘されていますことに、衷心より敬意を表します。
私は、7月6日から7日にかけ、千葉県千葉市で開催した、第10回定期地方大会においてJP労組関東地方本部執行委員長に就任した西藤です。引き続き、組合員の雇用と労働条件を守り、持続可能な郵政事業の成長発展、そして地域との共生など社会性を持った、常に労働組合らしい運動を進めてまいります。
さて地方大会では、「自律と実践で未来を拓く」を活動のスローガンに、JP労組結成10年を振り返り、そして次の10年を展望した「新たな運動の創造」の実践に向け、2017~2018年度活動方針を確立するとともに、新たな関東地方本部の役員体制を確認しました。そして組織拡大では、地方本部結成以来過去最大となる、30,647名の組織数で地方大会を開催することができました。
これは関東地方本部内51支部の活動成果であり、改めて、これまでの仲間づくりに向けた取り組みに敬意を表するところです。
一方関東には、約4,000名を超える正社員未加入者が依然として存在しています。
JP労組組合員が職場の多数派となり、安定した集団的労使関係を築くことによって、組合員の社会的・経済的な地位の向上と安心して働き続けられる職場づくり、そして事業の成長発展の実現に向け、この課題を早期に克服する必要があります。したがって私たちは、『真に組合員の幸せの実現』を追求する立場から、仲間づくりを通して組織を質的にも量的にも拡大し強化する、「組織建設」に全力で取り組むこととします。
関東地方本部が進める運動の基本スタンスは、地方本部結成から10年にわたって積み上げた活動や仲間との信頼など、これらの財産をしっかりと受け継ぎ、次の10年を見据え、当面する2年間をさらなる前進の土台づくりと位置づけ、大会で確認決定した方針に基づき、「誠実」「堅実」「着実」に運動を前進させることとします。また、郵政グループ各社・各セグメントに係わる諸課題に対しても、高次な労使関係の構築、チェック機能の発揮、そして職場との丁寧な往復運動によって把握した組合員の声を真摯に受け止め、組合員が実感できる具体的な改善に向け、グループ各社と対応していくこととします。
政治課題では、東京都議選以降、一気に混迷の色合いが濃くなり始めています。それは、一強の奢りから、国民や国会に対して安倍政権による欺瞞に満ちた不誠実な対応の結果が、内閣支持率の急降下に現れていると考えられますが、そういった中にあって安倍首相は、国会の解散はおろか憲法改正への考えも変更しないと表明するなど、稀代の悪政は当面続くことが想定されます。
平和と民主主義を守り育む私たちは、この政権に、これ以上政治を任せることはできません。
関東地方本部は怒りを込め、来るべき解散総選挙に向け、「おくの総一郎」組織内衆議院議員(千葉9区)の再選をはじめ、推薦する候補者全員の当選を果たし、政権交代可能な政治勢力の結集、そして勤労生活者重視の政治へ政策転換を求めていくとともに、その力を2年後に迫った第25回参議院議員組織内選挙につなげていくこととします。
『ワンフォアオール・オールフォアワン』、“一人は万人のため万人は一人のため”として、チームワークや相互扶助を表す言葉としてよく使われますが、2017年3月の民進党大会で来賓としてご挨拶された慶應義塾大学の井出英策教授は、『オールフォアオール』といった新たな社会福祉政策を挨拶の中で提言されました。
井出教授は、安倍政権の経済対策、いわゆる“アベノミクス”が機能しない中、世の中の所得をはじめとした格差は進行し続け、社会的にも経済的にも勝者と敗者がより明確になっており、格差拡大によって国民同士を分断する感情が広がっているとしています。そういった状況に対して井出教授は、強者も弱者も全ての人々が応分の負担をし、全ての人々が受益する仕組みを作り上げれば、強者だけ多く負担するという不満感、受益する弱者が卑屈さを強いられている、このような分断された現状から脱却できると提言しています。
関東地方本部は常々、「オール関東の総合力」で諸課題に果敢に挑戦する作風で運動を前に進めてきました。一部の役員だけの活動では、その役員は疲労と不満感が蓄積します。また、役員以外の多くの組合員にはJP労組運動が見えづらくなり、活動への参画意識も薄れるなど、役員と組合員の間に意識と感情の分断が生じることとなります。
関東地方本部は、全ての仲間の結集と活動への参加で全ての仲間が守られる、労働組合らしい『オールフォアオール』の運動を皆さんと一緒に実践していくこととします。
2017年9月
JP労組関東地方本部
執行委員長 西藤 勝