共済コラム

ワンチームとワンハート

2019年11月27日

 この秋は大きな出来事が起こった。
 まず、関東地方をたて続けに襲った台風は、広範囲に甚大な被害をもたらした。組合員の家屋や社屋も多数被災し、千葉県の組合員の尊い命が奪われた。残された遺族の心中を思うと胸が締め付けられる。お見舞いと哀悼の意を表する次第。

鴨川市

 

 筆者も被災地を訪ねたが、一帯の屋根がブルーシートに覆われた街並み、倒れた電柱と樹木で遮断された道路、大量に積まれた災害ゴミの山、庭に放置された泥だらけの家具、目につくものすべてが被害の大きさを物語っている。一刻も早い復旧・復興を願うと同時に、ボランティアの皆さんの献身的な活動に敬意を表したい。

 

 こうした時こそ役に立つ共済制度は、生活再建に向けた一歩を踏み出す活力になる。しかし、関東の火災共済の加入率は20%、自然災害に至っては6.5%。改めて、仲間を助け自分を守る共済の大切さを訴え、「助けられたのに助けられなかった組合員」を一人でも減らす努力をしたい。

 

 次は、南アフリカの主将が金色に輝くカップを高々と掲げ、日本列島を熱狂させたラグビーワールドカップが44日間の幕を閉じた。筆者が印象深かったのは、数々の名勝負や名場面もさることながら、決勝戦終了後、敗れたイングランドのヘンリー王子が歓喜に沸く南アフリカのロッカールームを訪れ「おめでとう。ラグビーは人々の心をひとつにすることを証明した」とスピーチしたことだ。ラグビーが持つ「ノーサイド」の精神と「多様性を受け入れる寛容さ」を再認識させられた。その象徴が初のベスト8に進んだ日本代表のスローガン「ワンチーム」だろう(今年の流行語大賞当確か?)。

ragub

 街にはルールも知らない「にわかファン」が急増し話題となった(それはそれで必要なこと)。筆者は、1980年からのラグビーファンで伝統の早明戦や日本選手権を観戦、その魅力に引き込まれた一人である(その当時のお気に入りは、早稲田大学の“貴公子”本城和彦選手だった)。ルール変更などもあり、時代とともにプレースタイルは若干変わったが、その迫力と精神は変わらない。いずれにしても、被災地の皆さんに元気と勇気を与えてくれたことに感謝である。

 また、沖縄のシンボルである首里城の火災も衝撃的だった。筆者も訪ねたこともありとても残念。しかし、那覇市が首里城再建支援のためにインターネットを通じて始めた寄付金が4日間で2億5千万円に達したという。それは確実に支援の輪が世界に広がっていることを証明している。これで世界に「ワンチーム」の精神が根付き戦争や紛争のない国際社会が実現し、再建された首里城が平和のシンボルとなることを夢見たい。

syuri

 

 この夏、ある支部大会に参加した時、旧知の局長があいさつで、「ラグビーが『ワンチーム』なら、JP労組には前地本委員長が名付け親の『ワンハート(心ひとつに運動)』がある。その精神でこの難局を乗り越えよう」と話された。

 さあ、今こそ、心ひとつに一緒に頑張ろう。

 

(Komu-Taka)





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日本郵政グループ労働組合中央本部