共済コラム

老いるショック

2020年3月1日
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 連日、新型コロナウィルスの感染拡大のニュースが続いている。感染した方の病状と経済に及ぼす影響が心配される。一刻も早い終息を願うばかり。また、マスクなどの紙製品不足も深刻で、感染防止はもとより花粉症の筆者にとって、これから地獄のシーズン突入なのに一大事である。

 

 品不足で思い出すのは、1973年(昭和48年)の秋、日本全国の店頭からトイレットペーパーが消えたこと(それは大阪の千里ニュータウンのスーパーで始まったらしい)。第4次中東戦争の勃発によるアラブ諸国の石油高騰は、石油の供給が途絶えれば日本は物不足になると、人々をトイレットペー

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パーの買いだめに走らせた。いわゆる「第1次オイルショック」である。また、狂乱物価と呼ばれたスーパーインフレをもたらし、1974年(昭和49年)の物価上昇率は20.9%。20春闘がスタートしたが、当時の郵政の新規採用者は、春闘で勝ち取ったベアの差額精算金額が、夏のボーナス金額を上回ったなんて、何とも景気の良い話を先輩から聞いた。

 

 筆者が就職したのは、その2年後、日本経済は戦後初めてマイナス成長に陥り、民間企業がバタバタと倒産する超不況時代の今風にいえば「就職氷河期」。公務員採用試験の倍率が異常に高かったと記憶している。筆者は、新卒採用でその年の4月1日に中央研修所に入所したが、同期には中途採用の方も多く、「勤務していた民間企業が倒産したので、倒産のない国家公務員(郵便局)を選んだ」と異口同音に話していた。まさか、後に民営化されるとは夢にも思わなかった。

 

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 さて、今回は「オイル」ではなく誰もがいずれおとずれる「老いる」の話。筆者も還暦すぎあたりから身体的な「老いる」を実感している。何をするにも動作は鈍く、物覚えは悪い。一度覚えたことは次々に忘れてしまう。かつてのスタイルはどこへやら体形は洋ナシ(仕事も?)。髪も財布も薄くなり、溜まっていくのは脂肪と診察券。自信を持っていたゴルフのドライバーショットはなんとも弱々しい。そして極めつけは、先日、右目の前に黒い蚊のようなものが動いて見えるので、眼科を受診すると文字どおりの「飛蚊症」と診断され、「原因は加齢なので慣れるしかない」と医師。まさに「老いるショック」である。


 それに追い打ちをかけるような、「老後2千万円問題」。(もう忘れた方も多いだろうが)昨年6月、金融庁の審議会がまとめた報告書によれば「高齢夫婦無職世帯」(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみ)の1カ月の平均収支は、収入約20万9千円で9割以上を年金に頼る。一方、支出は約26万4千円で毎月5万5千円も足りない計算となる。赤字額は自身が保有する金融資産より補てんすることになるが、その額は20年で1千3百万円、30年では2千万円に上る。つまり、年金生活に入る時、これだけの資産がないと、いずれ生活が行き詰るというのだ。しかし、この答申が国民の批判を招くと麻生財務大臣は受け取りを拒否しお蔵入りにした。自分で諮問しておいて受け取らないなんて非常識も甚だしいが、政権にとって不都合だから受け取らないのは、この答申が事実だと証明しているようなもので、少なくともゆとりある老後のための準備は現役の時から必要なのだろう。そこでお奨めしたいのがJP共済生協の年金共済「ゆとりプラン」。「長寿リスク」などといわれるシルバーライフの不安をかなり緩和してくれることは間違いない。

 

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 今年も多くの組合員が3月末に定年退職等で職場を卒業される。何年か前に「人生の二毛作」という言葉を知った。それには「体力がある」、「社会や人の役に立つ」、「幸せが語れる」が必要な要件だったと記憶している。また、高齢者には「今日用(きょうよう)」と「今日行く(きょういく)」が大切で、毎日何かの用があって外出することが若さの秘訣だそうだ。読者諸賢の「人生の二毛作」が実り多きことを願ってやまない。感謝。

                                (Komu-Taka)





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日本郵政グループ労働組合中央本部